学校運営協議会

ノート・レポート 令和3年度 第3回学校運営協議会の記録

 2月22日(火)13:30~15:30 第3回学校運営協議会を開催しました。

 第3回は、コロナ禍を考慮し、感染症対策を徹底し、一部委員の方にはオンライン参加をしていただいたり、授業参観はオンラインで実施したりするなどの対応を取りました。

 

 今年度の学校評価のまとめの報告を行い、本校・美馬分校の取組に対しての評価の在り方などについて助言・提言をいただきました。各学部が児童生徒の現在と将来を見据えてボトムアップ・トップダウンの視点で教育活動を行うことや校内で培った知識・技能を積極的に地域・家庭において発揮するためのフィールドを設けることなどについての協議も行いました。

 内容の詳細については次の通りです。

【老人福祉施設施設長より】

〇 学校の取組から

・ 3回にわたる学校運営協議会では,学校の取組は学ぶことや刺激が多い。

・老人福祉施設においても,コロナ禍により高齢者の屋外での活動や地域交流の場が少なくなった。学校での創意工夫された感染症対策のもとで様々な取組を行っているところがよい。

・老人福祉施設では家族との面会など直接的にできないが,タブレット端末を使っての 面会を進めるなど,ICTの活用を利用者に勧めている。学校の取組から新しいやり方 を見付けていきたい。

〇 スタンスは人材育成

・地域の人口減や働き手の減少に対して,人を育てて定着させることがとても重要と考 える。

・働きやすい職場で辞めずに育てて組織のチーム力を高めることこそ,人材育成の課題であると考える。

・その中で,本校では小学部-中学部-高等部と3ステップで学びの段階を積み重ねているが,最終的に地域に出ることを逆算して「どう育てるか」を考えているところがよい。

・小学部では「自分自身の自立」をテーマにキャリアアップを目指している。

・中学部では身近な複数の他者と協力することができることを目指している。

・高等部では地域や社会との触れ合いを進めている。

〇 報告から受けたメッセージ

・一人一人,自分に合ったやり方を選択することができることは育成方法も一つでないことを意味している。

・具体的な内容を取り上げて,学習の場でシミュレーションして本番に備えている。

・繰り返し地域に出向いて学習の成果を発揮することが習慣化しており,このことが当たり前になっていること,学びを実践する機会を設けていることで,学びによる知識を広めたり知ったことを深めたりすることにつなげている。土台となる知識の幅を広げることで頂点の成果がよりよいものとなる。

 

【道の駅駅長より】

〇 学習評価より

・全てを正確に評価することは難しいが教育活動を計画的に実施し評価することができている。

 

〇 地域資源としての池田支援学校

・ハードスキルを身に付けることは重要であるが,コミュニケーションなどのソフトスキルを身に付けていることが実際には評価されることが多い。一つ一つのスキルは大切であるが,他者と上手くコミュニケーションをとれること,相手の目を見て話ができること,相手がニコッと笑ってくれることなどが実際の場面では大変大切となる。

・コロナ禍でも学校の取組を拝見してほっこりした気持ちになった。生徒が自分自身の 評価を行うこと,仲間とコミュニケーションをとり人を喜ばせて自己の存在を感じること,相手がニコッとしてくれることで自分も伸びることを示していた。

・企業の者に教育活動の様子をオンライン中継でもよいので見せてほしい。そこで生徒 のもつスキルや活躍できる場を考えることをしてみたい。生徒の実態を固定的に見るのではなく,色々な価値観や専門性をもつ人と接することで新たな可能性を発掘することにつながる。

  ※高等部長より,GBプロジェクトの紹介を行った。

 

〇 認めてもらえる池田支援学校

・学校のある地域の文化や習慣,国の文化などの知識をしっかりと知る・学ぶ機会を確保してほしい。

・地域で生活する上で,地域のことをしっかりと学ぶ機会が必要となる。そのためには,支援者である大人がまず地域のことを知る必要があり,地域性のある取組を学ぶ機会を積極的に設けてほしい。

 

【婦人会会長より】

・小学部-中学部-高等部と一貫した教育を行い,子どもの表情や能力を引き継いで指導 を行ってくれていることがありがたい。

・箸蔵婦人会では,小学部からアプローチをしてもらい,地域の御近所のお宅に出向いてコミュニケーションをとりながらSDG'sも意識した取組を行ってきたが,現在中断している。地域住民も児童が訪問してくれることを楽しみにしてくれていた。学期に1 回くらい婦人会のメンバーとグループを組んで行っていた。

・多様な地域に出ての教育活動の中で,運動会では婦人会と一緒に地域の踊りを踊る機会 をつくってきた。単なる踊りではなく,箸蔵福祉村や地域の文化の継承を目指してきた。 大人は踊る機会がなくなると忘れてしまうが,児童たちは音楽が流れ始めると自然に踊 りを踊り出してくれるなど,定着していることを嬉しく思っている。

・Q 黙食の取組はすばらしい。どのように指導しているのか。

 →A (本校)少人数で食べるようにしたり,前を向いたりして食事している。教員はフェイススシールドをして食事指導している。どうしてもしゃべってしまう児童に対しては,教員が距離をとっている。

 →A (分校)ランチルームを使用していたときは,2つの学年がランチルームで食事を して,残り1つの学年は教室で食事をとっていた。ランチルームでは,衝立をしたり壁に向いて食べるようにしたりしていた。現在は,全学年が,各教室で食べている。

 

【障がい児入所施設施設長】

・SDG'sに関する取組は,長年学校の教育活動の中に位置付けられており,学校の教育活動の根底にある児童生徒の意識付けをしてくれている。一時的な取組であっても継続し ていることが大切である。

・体験から学び,就職につなげる教育活動を行ってほしい。

・地域に認めてもらうために,箸蔵福祉村のある地域での活動を通して,関係づくりを積極的にお願いしたい。特に地域交流拠点施設とことんを通じた広報・啓発活動など様々 な取組を今後も継続してほしい。

 

【PTA会長】

・高等部3年で生徒たちの就労先が決定される。地域との交流やコミュニケーションはと ても大切であると考える。分校のみまカフェやみまカフェ・ファームなどで子供たちが 凜とした頑張っている姿を見ることができて嬉しい。ファームで育てた農作物を自宅に 持ち帰った際は,美味しくいただいている。今後とも,このような地域の活動をしてい ってもらいたい。

・学校の就労支援に関して,保護者としては高等部3年となると,就労先であるA型,B 型等,卒業生のデータを示してほしい。保護者にとっては大変関心の高い情報である。

 

【PTA会長】

・今年度小学部を卒業し,4月に中学部に進学する。中学部や高等部の授業をオンライン視聴させてもらいありがたかった。児童生徒の力を今後も伸ばしていってもらいたい。

・居住地校交流ではDVDを届けてくれたり,大型量販店での作品展開催では店員から温かい言葉をかけてもらえたりと大変ありがたかった。

 

【大学院准教授】

・本校の小学部と高等部では,事前と事後にアンケートをとっている。妥当性が高い。

・教員研修等の評価において、ルーブリック評価を参考に事前・事後に個々の教員が複数の視点に基づいた事前・事後評価を実施して、具体的に成果や課題を分析できるようにすることを今後参考にしてほしい。

 

【会長】

・自尊感情や自己肯定感を育てることについて,教員が児童生徒との関わりを通じて褒め てよい部分を伸ばして育てていってほしい。

・昨年8月,特別支援学校の生徒への表彰式に参加した際,堂々とした態度で表彰を受けていた姿を見て感銘を受けた。

 

【学校長】

・オンラインによる授業参観を通じて,直接参観とは違ってピンポイントで観察するメリ ットがあり,委員の皆様にも日頃の教育活動の一端を御覧いただいた。

・本日は,委員の皆様からたくさんの御意見をいただいた。特に,自己肯定感を育て,自 尊感情を育むための環境設定に関するヒントをたくさんいただけた。 ・学部間の学びのつながり,スキルを身に付ける指導を重ねることを通じて,地域に出るための手立てを工夫することやたくさんの要望や御提言をいただくことができた。 

・本日いただいた御提言は令和4年度にも反映し,今後も取組を継続させる。